2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
こんにちは、読書サークルこだまです。皆さまいかがお過ごしでしょうか。 さて、このたび部誌『こだま』2号が完成したので、公開します。目次は以下の通りです。 書評 英国ミステリの世界 〜『カササギ殺人事件』書評〜 日奈坂俊樹 https://kodama-echo-read…
雨音が聞こえる。二つ目のアラームが鳴り響いている。深い眠りが乱されて、ちょうど今見ていたばかりの夢が終わりを告げる。薄暗い部屋。不明瞭な意識の中に、ざぁざぁと雨の降る音が流れ込んでくる。 寝起きで冴えない頭に必要最低限のエネルギーを送り込み…
『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ(著)/山田蘭(訳) 創元推理文庫 画像:版元ドットコムより 王道の英国ミステリと現代ミステリを掛け合わせたストーリーが二巻の小説にぎゅっと凝縮されており、読者のミステリ欲を余すところなく満たしてく…
はじめに この文章は、国文学の古今和歌集のゼミにて、小野篁「わたの原」歌を取り上げて発表をした際におまけとして書いた、個人的な文章です。流罪に処せられた小野篁の心境に思いをはせ、出立の際の情景を思い浮かべながら鑑賞文を書いてみました。 「わ…
無常の世にあって、文学作品はなぜ時空を超える力を持つのだろうと、以前から不思議に思っている。 この世が無常であることは、多かれ少なかれ皆が納得するだろう。栄華栄耀を極めた一族もやがては滅びゆくこと。災害や疫病により、世の中が大きく変動するこ…